客家擂茶
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擂茶(Lei-Cha) 客家擂茶(ke-Jia-Lei-Cha)

 擂茶(Lei-Cha)って何ですか? 言葉は聞いたことがありますが、実際どんな物か、どうやって作るかまでは知らない方も多いと思います。今回はその擂茶について紹介して行きたいと思います。また、台湾旅行される方にお薦めのお店(台北にあります)も併せて紹介しておきます。

■擂茶の歴史:
  擂茶は宋代から始まったという説もありますが、殆どの資料では三国時代 から始まったと記載しています。三国時代、蜀の名将:張飛を率いる大軍が武陵(現在の湖南)を攻める時、大軍が疫病(瘟疫)に悩まされ、とて も戦える状態ではありません。しかし、張飛がとても厳しい人で、軍隊は 地元の人に被害を加える事が全くない事に感動し、地元の名医が門外不出 の処方を張飛に献上しました。

 

■擂茶の原料:
  それが「生茶」、「生米」と「生姜」を使った擂茶です。擂茶を飲んだ大 軍が元気になり、その後、擂茶作り方が武陵を始め、客家の間で広がり、 現代まで伝えられて来ました。
  擂茶の「擂」は「研磨」の意味で、擂り潰してから飲む、私達が鍋料理や 豚カツを食べる時に、お店によって擂り鉢を渡され、粒ゴマを擂り潰しま すね。その擂り鉢を思いだして下さい。ちょうどそのイメージです。違うのは道具のサイズと材料です。 擂茶に使う擂り鉢は「擂盆」で、直径35センチから40センチぐらいの お盆(陶器)で、棒の「擂棍」は茶樹などの無毒、無異味の木で作り、長 さは50センチから1メートル50センチぐらいの長い棒まであります。
  擂茶の主要材料(原料)は生茶、生米と生姜で作られますので「三生湯」 とも呼ばれます。中国全土ではなく、主に福建省、広東省、湖南省や台湾 の客家の間で伝えられ、今も客家の間で飲まれています。湖南の武陵山区 では土家族と呼ばれる人々の間で飲まれています。今は武陵が有名な観光 地なので、行かれる方は是非この擂茶を飲んで見て下さい。

道具一式 擂茶を作る


■バリエーション
  擂茶は時代と共に変化し、現在は塩擂茶、糖擂茶、清水擂茶、七宝擂茶と 五味擂茶などの種類があり、季節によって加わる物が異なる食べ物(飲み 物)まで変化して来ました。例えば、美容目的であれば、黒ゴマ、黒豆、 夏バテ防止には陳皮、緑豆、白芍、甘草、春には薄荷、夏には金銀花、秋には白扁豆、冬には肉桂といった具合。
  擂茶は飲み物であり、食べ物でもある不思議な物です。「茶」という文字が 付きますから、普通、飲み物、点心に分類されますが、地方によって「正餐」としても 使われます。 生茶と書きましたが、一年中に新鮮な茶葉が取れるとは限らないので、お茶の粉末も代用できます。私の場合、いつも龍井茶葉(生ではない)を擂 り鉢に入れて使っています。 緑茶の茶葉、黒ゴマ(白ゴマも可、或いはブレンドも)、ピーナツと砂糖 を擂り鉢に入れて、砕いた後にお湯を加えれば擂茶の出来上がりです。後 はそれぞれの地方の特色、好みによって色々な物が加わります。基本は殆ど一緒です。黒ゴマ、ピーナツと砂糖という材料を見て、美味しい飲み物 である事を連想しませんか。

  擂茶粥にする場合、上記の砂糖を入れずに、ご飯(お粥)、塩、食油を加 えれば擂茶粥になります。 擂茶粥の場合、地方によって、炒青菜(野菜炒め)、豆干(硬めの豆腐のような物)、肉類などと一緒に食べたりします。福建省、広東省、湖南省 と台湾ではベースだけは同じで、加えて食べる物が全く違ったりします。 広東省の英徳市(英徳紅茶で有名な所)も擂茶粥を食べる習慣があります。 先程出て来た伝説も少し違いますが、伝えられています。
  広東省の客家では、夏バテ、食欲ない時は農民達が昼食に擂茶を食べたり、 武陵の土家族では擂茶を薬として使ったりしていました。現代では、それを科学的に分析し、健康飲料として発売している所もあります。


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