中国茶の世界
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■詩の解説:
 皇甫冉、字茂政。唐の詩人。丹陽(現在の江蘇丹陽)人。出身は甘粛省だが、丹陽が気に入って移住したのである。弟の皇甫曾も詩人である。

 栖霞寺(棲霞寺)は江蘇南京の東北の栖霞山にある古寺。南斉永明七年(489年)に建てられ、1,500年以上の歴史を有する仏教聖地の一つである。
 
 
 お茶を採るのはカリヤス(ススキに似て、黄色の染料となる)を採るのとはわけが違い、

 遙々と幾つもの山々(層の重なる崖)を登って行かなければならない(そんな苦労をして採るんだ)。

 着いた処には茶の葉が大いに茂り、春風が暖かく吹き渡る、

 葉をカゴ一杯に摘み終えると日も暮れかかる。

 もとから知っている山寺への路を通り、時(遅くなった時)には山野の家に泊まる事も。

 かの王孫草(この場合は茶葉を指すと思われる)に尋ねよう、一体いつになれば、陸羽のお茶を飲めるのであろう。
 *王孫草はつくばね草の異名だが、ここでは貴重な植物である茶を指す。

 *皇甫冉と弟の皇甫曾の両兄弟が、友人の陸羽を棲霞寺まで茶摘みに行くのを見送った。苦労を思いやったと同時に帰りのお茶を待つ心を述べた詩。皇甫曾は「送陸鴻漸山人采茶」を書いた。

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送陸鴻漸山人采茶

千峰は逋客(隠士陸羽を指す、タイトルの山人も陸羽)来るのを待つ、 



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