茶趣傳説
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酒満敬人、茶満欺人

 お客さんにお茶を入れる(出す)時、お茶は茶杯(湯呑)を溢れるぐらい入れると失礼にあたります。通 常は飲杯の7、8分目がベストだとされています。
 宋の時代に、客好きの役人がいます。彼は来客とお茶飲みながらいろんな話しをする事が好きです。 近所に住んである学者はよくお茶を飲みにきます。ある日、学者はいつものように役人の家へお茶を飲みに行きます。 あいにく、その日、役人が忙しくとても相手にする状態ではありません。かっと言って「今日は忙しいから帰ってくれないか」とも言えず、困り果てた役人がとっさに考えたのは、学者の湯飲に溢れるほどのお茶を入れる事にしました。数回続けてされると学者も「あ、そうか、役人が何かあせていて私に帰って欲しいという合図ですね」と役人の家を後にしました。
 それ以来、お茶は一杯いっぱいに入れる事は「帰れ」という意味になり、 失礼な事になっています。勿論、今でも居て欲しくない人が来た時、使う人が多いようです。 余談ですが、 茶船から茶壷を取り出した時、水の垂れを防ぐ為、茶壷の底を茶船の縁に 時廻り数回まわしたりします。それを逆に回される時に「そろそろ帰ってくれないか」という意味です。まあ、意味が分からず呑気に居続ける人もいますが。


端茶敬客、端茶送客
 お茶はお客様をもてなす時(端茶敬客)に登場すると同時に、イヤな来客を追い出す時(端茶送客、逐客)にも使われます。現代社会では、端茶逐客は(私の知っている限り)存在しないようです。お茶で「文明逐客ではなく、お茶でお客様を向い入れます。客至心腸熱、人走茶不涼という言葉があるぐらいです。しかし、宋、元、明、清では端茶逐客という記載が多くあり、時代劇などでもよくみます。
 点茶と点湯は遙か宋という時代にすでに存在します。当時の王国維の「茶湯遣客之俗」では「今世官場、客至設茶而不飯、至主人延客茶、則僕従一声呼送客矣。此風自宋己然、但用湯不用茶耳。」という記載があります。
 客至点茶、送客点湯。古人客来点茶、客ba点湯、此常礼也。
 

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