元気島台湾は、どこを歩いていても、市場あり、夜市あり、毎日がお祭りのよう。ほっと一息いれたいときは台湾人の憩いの場、茶 藝 館がいつも疲れを癒してくれます。
茶藝館とは、読んで字の如く、『お茶』と『茶藝』を楽しむところです。
「茶館はもともと喫茶を主とした飲食店をさす総称で、広東省や香港では茶楼、茶室、茶居などとも呼ばれていた。
しかし、今世紀の初め頃から、茶館は喫茶よりレストランとしての要素が強くなり、レストランをさす飯店と区別がはっきりしなくなってきた。茶の字がつくレストランは、飲茶が早朝から午後三時頃まで、夜は普通の料理店に戻るところが多い。これに対し台湾ではレストランと一線を画し、茶藝を実践する場になっている。ここでいう茶藝は、単なるお茶のいれ方や作法ではなく、”喫茶を通じて自然界と一体となり心を開放し、中華四千年の伝統文化に触れ、先人の美意識を生活の中に取り入れよう”という、文化と生活の提案である。
1980年代に入ってから急速に経済が上向きになり、生活が豊かになって、ゆとりを求める気持ちが生まれてきたこと、工業とのバランスをとるために農業の振興をはかった蒋経国総統の政策が実を結び、製茶業も活気づき、品種改良が次々行われて烏龍茶の品質が見違えるほど向上して美味しいお茶が市場に出回ったことが、国内需要を増やし、喫茶ブームに火をつけたのである。最初は単に、懐古趣味のインテリアや、田舎の雰囲気を演出した茶館しかなかったが、しだいに文人趣味の茶藝館が育っていった。
現在人気の茶藝館はどこも五感が冴え渡るよう、整えられた空間でお茶を味わう工夫をしている。そのため、客のほうも心のオアシスととらえている。台湾の茶藝館には、香港の飲茶レストランのような喧噪はなく、おおむね静寂が広がっている。友人や家族といっしょにやってきて、爐(=コンロ)と煮水器(=やかん)などを手元に置きながら、何時間でも烏龍茶をすすって時を過ごすのである。」(中国茶・アジアの誘惑より引用)
現在台湾で人気を集めている茶藝館を紹介しましょう。
|
耕讀園
中国式の建物は中央の大きな池と舞台を囲むように建ち、窓からの眺めも最高だ。池の上の舞台では火・木・土の夜8時半から中国古典音楽の演奏会が行われる。(台湾高雄市覚民路)
|
各部屋には、悩み事を忘れる部屋、お月様が美しく見える部屋、といった風流な名前がついている。ほとんどが3畳ほどの畳部屋で、居心地がいい。
お茶は約10種類。お茶うけの軽食は約30種類以上。 |
 |
 |
陶石茶坊
緑に囲まれた入口をくぐるとすぐに、レトロな雰囲気の小部屋が再現されていて昔懐かしい空間が広がっている。各テーブルに置かれた凝った作りの照明、茶葉の香り、それらが醸す雰囲気に心が静まる。(台北市光復南路)
|
テーブルに置かれた美しい照明器具は、取り壊される古いお寺や家の飾り部分をDIYでアレンジしたもの。 |
|
 |
回 留
台湾の若者の間で人気を呼んでいる、無国籍のベジタリアン茶藝館。オーナーは、旅行好きのアメリカ人のご主人と台湾人の奥さん。空間にも中国、アジア、アメリカ、インドのエスプリをバランスよく取り入れている。(台北市信義路)
|
ここのお茶はすべて無農薬。食事やデザートは、彼らが旅先で出会った美味しい料理をベジタリアン流にアレンジ。 |
|
|