中国茶の世界
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・・ 歴 代 茶 書 ・・
■茶経(陸羽)
 唐代、お茶の神様と呼ばれる陸羽の著書。公元七五八年前後にできたと思われます。世界で最も古いお茶の本だと言われています。内容は三巻(上、中、下の3巻)十節に分けられます。 「茶経」は茶學百科辞典とも言える豊富な内容で、 植物学、農芸学、生態学、生化学、薬理学、水文学、民俗学、史学、文学、地理学、鋳造および製陶までの知識、お茶と直接、間接的な知識まで網羅しています。

 古代、馬は国防力の基本だと言われています。戦争に勝つ為にいかにたくさんの名馬を確保できるかにかかっているそうです。だが、1000の名馬で陸羽の「茶経」と交換して欲しいと申し出が唐の時代にあったを見れば、「茶経」はいかに注目を集めた本かがよく分かります。

茶経(陸羽)

一之源 : 茶樹の形態、茶樹成長の自然条件、茶の効用などにつて

二之具 : 茶葉を採る時に使う道具と製茶用具について

三之造 : 茶の製造方法について

四之器 : 茶を煮る(立てる)時の茶具、茶碗について

五之煮 : 水の等級やその選び方法、茶の入れ方について

六之飲 : 茶の様々な飲み方とその心構えについて

七之事 : 茶の歴史と唐までの喫茶事情に関する文献

八之出 : 茶の産地とそれぞれの品質について

九之略 : 時宜と場所による製茶用具と茶道具の省略について

十之図 : 一から九までの内容を図解した物

■煎茶水印
  唐、張又新。全書やく950文字。もともと「水経」と名付けられましたが、「水経注」と区別 する為に「煎茶水記」に改名。「水」に重点を置いて論じた書物です。陸羽の「山水上、江水中、井水下」と違う見解を発表されています。お茶と水の関係、お茶(茶湯)に与える水の影響、技法、茶具などを述べています。唐の時代にお茶に関する本がたくさんありましたが、「茶経」とこの「煎茶水記」以外は殆ど現代まで残っていないようです。

■採茶録
 唐、温庭(竹+均)の著書。公元860年頃に出来た物ですが、北宋の時代に失われ(失傳)、残りは4百文字未満の書物となってしまいました。

■十六湯品
 唐、詳細の時期は不明とされていますが、公元9百年前後という説あります。煮水、沖泡、注水、盛器、燃料まで述べてあります。沸かし、注ぎ方、器、燃料によって、この「十六湯品」の内容は現代でも説得力のある物が多いとされています。

■茶録
 宋、蔡襄(1012〜1067)の「茶録」は1051年に頃にできた書物。上下の2つあり、上は「茶論」で下は「器論」です。作者の蔡襄は書家でもあります。龍団茶を改良して小龍団茶に仕上げた人でもあります。

■東渓試茶録
 宋、宋子安。全書やく3千文字。宋子安氏の「茶録」を「東渓試茶録」ともされ。東渓は福建省建安にある地名です。茶園の地理、自然環境とそれぞれの特徴などを述べ、採茶の時間と方法、最後は製茶によって、味の変化を解説。建安の茶樹品種を白葉茶、柑葉茶、早茶、細葉茶、稽茶、晩茶と叢茶の7種類に分けた人。

■品茶要録
  宋、福建省建安人「黄儒」の著書。1057年頃に出来た書物。約2千文字。建茶の品質の見分け、采茶、煮茶について。

■大観茶論
  宋の皇帝徽宗趙佶が自ら書き上げた物、全書約2,800文字。1107年にできた書物。宋の時代における重要な中国茶書物。采摘、蒸壓、製造、鑑別、白茶、筅、水、点、色、味、香など20項目にわたって書かれてあります。製茶技術とお茶の品質を強調。

■北苑別録
  宋、2千八百文字前後。「宣和北苑貢茶録」を補うべき、1186年にできた書物。

■茶譜
  明、朱権著。朱権は明の皇帝朱元璋(明太祖)の第十七番目の息子です。全書は2千文字ぐらい。茶葉の評価(評選)や煮茶用具に重点を置いて書かれています。

■茶疏
  明、約4千7百文字。1597年にできた書物。作者は自分の経験と長年の「心得」に基づき書かれた。明の時代の中国茶書籍の中でも最も有名な一冊とされています。

■茶寮記
  明、陸樹聲著。五百文字前後しかありません。1570年にできた書物。

■茶解
  明、全部で3千文字。1600年にできた書物。お茶は中華料理の「色・香・味」の3つのどれも重要である事を力説。色は「白」、香りは「蘭」、味は「甘」と書かれています。

 
 



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