中国茶6大茶
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製造

 上記制作工程をみて分かるように、生茶よりも熟茶の方がずっと手間がかかります。熟茶は1973年昆明茶廠研究所が水を使って短期間にプーアール茶を陳化させる技術(潮水渥堆發酵)によって、作り出された商品です。近年に一部の悪質投機商人によって考え出された人工催化類の湿倉茶とは全く別物です。

 違いも分からず、熟茶は死んだ全く価値のないお茶だと書くサイトもあります。技術の進歩に伴い、近年の潮水渥堆發酵も一段と良くなり、熟茶は以前のようなカビ臭さ、土臭さなどのイメージが無くなり、多くの製品は同年数の生茶より飲みやすくなっています。熟茶の茶湯は生茶と比べ、濃いのは潮水渥堆發酵という工程を経たからです。浸ける時間が長くなると、黒くなってしまいますが、これは淹れ方の問題です。

 ひたすら熟茶を貶し、生茶こそプーアール茶だとアピールする商人達の殆どは大量の生茶在庫があり、それらをいかに高く売り捌くかに必死です。悪徳業者のワナに引っかからないで下さい。


 上の餅茶と茶湯(同じ分量で共に12秒浸けた物です)をみて下さい。左側は生茶で、右側は熟茶です。同じく2006年に生産された商品で、原材料も全く同じです。
 同じ材料でプレスされた生茶と熟茶、どっちが(販売価格)高いと思いますか?
 「生茶が高いに決まってる」という声が聞こえそうですが、残念ながら答えは熟茶です。理由は簡単です:熟茶の方は生茶よりもずっと手間がかかるからです。また、潮水渥堆發酵時に失敗したらというリスクがあります。私はメーカーなら生茶だけ生産したいと言いたいのですが、需要がある以上そういう訳には行きません。生茶ファンがあると同じく、熟茶しか飲まない人が多いのもまた事実です。「生茶」の「寒」に対し、「熟茶」は「暖」のお茶だと言われ、「寒」のお茶が飲めない人は熟茶か老茶を選びます。

 同じ原料で同じ年に生産された生茶と熟茶の価格が逆転するのは、5年ぐらい経ってからです。生茶は歳を取ると価値が上がって行きます。しかし、この価格は台湾のプーアール茶ブーム以前では、微々たる物でした。30年物の生餅茶でも1万円出せばお釣りが帰って来るぐらい(それてもメーカー出荷時の50倍!)でしたが、今じゃその試飲分しか買えません(数百倍に跳ね上がった)。寂しい物です。

 とにかく、プーアール茶は中国茶の中で最も奥深く、分かりにくい物です。分かりにくいから一部の投機商人に利用されやすく、振り回されやすい事も知って置いて下さい。

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