中国茶6大茶
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 なぜかこの頃増えたプーアール茶の注文とプーアール茶に関する質問。 特に女性の間でダイエットのお茶として愛飲している方が多いようです。 中年の方から「コレステロールを押さえる効果があると聞いて注文しまし た...」そして、一度でいいから30年物や50年物の餅茶を飲んで見たいと言う方まで出来てました。

 このブームは別に日本だけの話しではありません。生産国の中国本土は勿論、香港、台湾、そして韓国までがそうなっているから驚きます。 台湾は青茶(高山茶)オンリーというイメージが強いように見えますが、 その台湾はプーアール茶の消費量が知っている方が意外に少ないと思います。なんと20億円!ぐらいの市場だそうです。 「本当か?」と僕も非常にビックリしました。健康ブーム?のお陰で年々愛飲者が増えているそうです。 というわけで、プーアール茶について少し書きます(2001年)。

1:普耳(シ+耳)茶 の由来、歴史
 普耳(シ+耳)茶の由来、歴史 : まず、プーアール茶の名前、中国語では「普耳(シ+耳)茶」日本にない漢字なので、「普耳茶」とさせて頂きます。 雲南省西双版納はプーアール茶の故郷です。 中国の雲南省の普耳県という所があります。周囲で採れたお茶が普耳県(昔は普耳府でした)に集め、加工後にまた全国各地に販売される(中国では集散地)から、地名をとって「普耳茶」と名付けました。
 明の「デン略」、 清の「普耳茶説」などで「プーアール茶」という文字がしばしば登場します。プーアール茶は緊壓茶の一種ですが、緊壓茶イコールプーアール茶ではありません。プーアール茶が誕生するずっと前に、緑茶を固めた緊壓茶が唐という時代の「団餅」と宋という時代の「龍団鳳餅」が既に存在します。

2:邉(辺)銷茶
 黒茶は中国では緑茶、紅茶に続いて3番目の座にあります。中国はとにかく広い。何処でもお茶が作っている(というより作れる)わけではありません。そのお茶が採れない所に提供する時、昔の交通 と言えば馬しかありません。「馬幇」という物があります。 例えば、雲南や広東からお茶をチベットや甘粛、寧夏などの所まで運ぶには大変な仕事です。そこで考え出されたのは「固める」という方法です。固めると一度にたくさん運べるからです。プーアール茶(磚茶、緊圧茶など)の誕生でした。 辺彊向けに考え出されたお茶なので、「辺銷茶」とも呼ばれます。勿論、内陸も飲むようになり「内銷」、華僑向けのは「僑銷」、海外向けは「外銷」というふうに使い分けています。

3:普耳(シ+耳)茶の種類、産地
 プーアール茶には「散茶」、「磚茶」、「餅茶」、「沱茶」などの種類があります。もともと、雲南省の攸樂、革登、漫撤、倚邦などの 「六大山」で採れたお茶がメインでした。現在はその周辺地域(四川の沱茶、広東の青餅など)や、ベトナムまで広がっています。
       
餅茶
沱茶
磚茶
緊茶

4:普耳(シ+耳)茶の年代物
 普耳は年代物ほど価値が高いとされています。その中の餅茶(七子餅茶) が40年、500年、60年物まで存在すると言われています。 こうなるともう古董品ですね。香港では50年物の七子餅茶が30万円以上の値段でマニアの間で流通され、それを台湾に渡ると2倍以上の値段になる物もあります。ワインの例を見れば、納得できない金額ではありません。 台北で「買った」と自慢した婦人に数回出会いました。 って、全ての黒茶が古い物ほど値打があるのですか。答えがノーです。 昔の物でも、質の悪い物であれば例え百年物であっても、悪い物に変わりません!よって、年代だけを信用するのは危ない。通なら「老」并不是「好」的保証(古ければ良いではない)という事は知っています。

5:青餅、熟餅って何?
 プーアールが2つの製造工程によって別れます。採った茶葉を委(上に草)凋、揉捻、晒乾などの工程を経て、 出来たお茶は通気性の良い倉庫で、無菌の後発酵(自然発酵)で出来たプーアール茶は「青餅」または「生餅」と呼ばれています。 特徴は、茶湯の色は薄く、栗黄色、Brandy色、樟樹などの香りがし、茶渣は暗い赤色と言われています。通常、年代物である事が要求されます。
 熟餅は採った茶葉を委(上に草)凋、揉捻、 炒乾など紅茶のような製作工程を経て、湿気のある倉庫に置き、麹菌のある後発酵で出来た物は「熟餅」または「熟茶」と呼ばれています。 特徴は、茶湯の色は醤油色、コーヒー色、少しですが泥やカビ臭さが残ります。同じ年数の物なら熟餅より青餅の方が高いのが普通です。例外:製造&出荷時は熟餅は生茶より高くなっているのは、製造工程が熟茶の方が煩雑だからです。

 もう一つたちの悪い物があり、生茶を水をたくさんまいた倉庫に入れて保管し、年数を誤魔化します。この悪質の物については別のページで話したいと思います。

6:紅印、黄印、緑印と藍印って何?
 七子餅茶の包装紙の中央部分に「茶」という物が印刷され、その廻りに8文字の「中」字に囲まれています。「茶」以外の文字は赤で、真ん中の茶の色によって、このグレードが別れています。赤文字は「紅印」1939年から生産され、後期の「紅印」は1950年やその後の物。10年以上もの差は包装紙と印刷された文字の微妙な巾によって鑑別しているらしい。 私達の域を超えています。   1956年から生産された「緑印」の七子餅茶の「茶」字は緑色で、文字が左からのではなく、右から左へという古い書き方を取っています。尚且つ、「茶」の文字の下に、長方形の藍色の印があります。台湾ではその藍色の印があるから「緑印」ではなく「藍印」と呼んでいます。 更にこの「藍印」の内に「甲」と「乙」の標記によって、その違いを分けています。一般的に「甲」の方が上だと思われがちですが「乙」の方が高く売れるのが実情です。

  黄印は1972年に生産された物、文字は左から右へと印刷され、アルファベ ットも使われるようになっています。 1枚数万円から数十万円もする餅茶を買われる方が少ないと思いますが、 とにかく、買う時、自分で鑑別できない方は、信用できる茶荘、知識のあ る友人、ココなら大丈夫というお店で買うしかありません。

7:偽物の七子餅茶
 このように、古董品に化したプーアール茶で、数十万円の値段となれば、 アメリカドルの偽ドルように偽プーアール茶を作る人が出来てきました。しかし、それも楽な仕事ではないようです。より似せる為の包装紙、一枚2千円ぐたいかかるそうです。 紅印餅茶を買った人から、ただの紙屑と思われるその包装紙は2千円で買いあさるケースもあるそうです。バカバカしい話しでしょう。 (^_^) が、本当の話しです。次にまあまあ良いと思われる緑印の餅茶を1枚1、2万円ぐらいの物を購入するなどとにかく、手の混んだ仕事をしているらしい。 「詳しいですね」と言わないで下さい。私(見聞)はとてもそんな物を作る技術がありません。(爆) これはもう今のパソコンで言えば、ウイルスとワクチンのような悪循環ですね。作る人、見破る人...そして、見破られたらまた新しい手法を考えるの繰り返しです... 今は信じられない程に偽造技術が発達しています。
 *七子餅茶は7枚1(筒)梱包なので「七子」と呼ばれます(中国茶経より)。

8:黒茶の薬効
 消化を助け、血圧を下げ、脂肪を落とす、コレステロールを下げなどの薬効があると言われ、また、中国の医学界でもその検証結果を発表したようです。しかも、他のお茶と違って、プーアール茶は10煎以上も出せますので、とても経済的なお茶です。今回のプーアール「特集」はお役に立ちましたか。少しでも プーアールファンの為にと今回のメールマガジンを普耳onlyにしました。
2001年のデータに基づいてまとめました


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