中国茶6大茶
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 台湾の紫砂壷ブームが去った後に、プーアール茶が空前の盛況を呈し、一時プーアール茶の輸入販売金額が遥かに台湾茶の輸出額を超えたという話も聞きました(*下データ参照)。台湾中にプーアール専門店が林立し、専門店でなくてもプーアール茶を置いてあるお店が多く存在します。そして、私達がいろんなお店で百年宋聘、同慶、六十年紅印、五十年緑印を目にし、安い物は10数万円で、上へ行けば一枚300グラムぐらいの餅茶がなんと100万円を超えました。金額を見れば、分かると思いますが「では、一枚下さい」と簡単に言える世界ではありません!一枚の重さは300グラムぐらいですよ。(笑)
 そこで最近面白い販売方法があり、雑誌などでも「瓜分」という広告をみました。一枚数十万円もする餅茶が買えるのはごく極一部の人ですが、飲んで見たい人がきっと大勢居る筈だと販売店は考え、「小分けして売ろう」という販売方法を取ったのでしょう。一枚まるごとの場合は630,000円の大金が必要ですが、30人で分ける場合、一人あたり21,000円で済みます。しかし、一人当たりたったの10グラムですよ!......
 
 早速奥深いプーアール茶の世界を少し覗いてみましょう。通常、私達がプーアール茶を三大類に分ける事が出来ます。それぞれ「緑茶類」、「黒茶類」 と 「人工催化類」に分ける事ができます。この三大類を更に「散茶」と「緊茶」に細分します。

 *1989年の台湾茶輸出量は7,200ドン前後あり、外からの茶葉の輸入量は1,500ドン前後でした。しかし、この数字は1991年に逆転し、輸出は5,700ドンに減り、輸入は6,000ドンにと増加して来ました。2002年の輸出量が更に減り、たった2,600ドンとなってしまいました。対する輸入量はなんと17,000ドンにもなっています!!
 
2006年の後半からと2007年の前半にかけて、中国(特に広東省の芳村茶葉市場)では「狂っている」というぐらいのプーアール茶投機ブームが起き、孟海茶厰、下關茶厰の有名メーカーを始め、中茶牌、そして無名な民間茶厰の製品までも投機の対象にされ、株売買と同じく、買っては売り、売ったら又買いの繰り返しで......、一部の生茶はなんと出荷時の十倍という信じられなく、恐ろしくて、馬鹿馬鹿し〜い値段が付きました!年代のあるプーアール茶なら理解できない事もありませんが、その年に生産されたお茶が一気に十倍騰がる事はあり得ない話ですが、実際、中国で起きていました(下關沱茶、大益7542生餅など)。ヒドい時、一日に3回値段が上がる事もありました。「茶没瘋、人瘋了」!お茶は常に「冷静」ですが、人間だけが狂ってしまいました!
 この投機ブームが2007年の05月当たりに冷え、夏には一気に冷めました......。夢から覚め、芳村茶葉市場の多くのオーナーが大量のプーアール茶の在庫を抱える羽目になりました。少ない人は数百万円、多い人は億単位の損をしたと言われています。......



 ■緑茶類(生茶):採青、殺青、揉捻......などの工程を経て完成された晒青茶(散茶や緊壓茶)が通気&乾燥の倉庫で保管し、自然発酵で出来た物です。勿論、倉庫が必須条件ではありません。多くのプーアール愛好家が自分の集めたプーアール茶を自宅の書斎などに置いてあります。
 圓形状の物は青餅、生餅、雲南圓茶、雲南七子餅茶と呼び、碗臼状の物は青沱、生沱、雲南沱茶と呼び、レンガ状の物は青磚、生磚、雲南磚茶、雲南方磚と呼びます。

 作りたての生茶を飲むと強い苦みと渋み(若しくは辛)を感じ、えぐい(舌を刺すような刺激)、舌が痺れると人によって様々な表現がありますが、結論は同じです : 作りたての生茶は美味しくありません(笑)。それても、生茶(たとえ作りたての生茶でも)しか飲まない人が多くいるのも否定できない事実です。(地元の雲南だけではなく、私の知っている多くの人もそうです)。

 生茶は年数を重ねるごとに味がまろやかになり、20〜30年ぐらい経つ(商品によって変化のスピードが異なります)と苦み、渋み、辛みが消えてゆき、美味しく頂けます。その後は、自然発酵が更に進み、まろやかさが一段と増し、50、60年物ぐらいの物はある意味「頂点」だと言えましょう。美味しさは言葉では語れないほど、年代物プーアール生茶は魅力的で、宝くじさえ当たれば、値段なんか関係なく、一枚ぐらい欲しいと思うのは私だけでしょうか(爆)。

 これを見て多くの方は気づくと思います。「20年」や「50年」というキーワードです。そう、人の一生は何個の「20年」があり、また何個の「50年」があるのでしょう??

 この業界では「爺々買茶、孫子喝茶」(プーアール茶は爺ちゃんが買って、孫が飲むもんだ)という言葉があります。新しいプーアール生茶は自分で飲む為に買うのではなく、子供の為に買って置く物です。自分が飲むお茶はお爺さんが買っておいてくれた物です。「ちょっと待って下さい」という声がかかります(笑)。→ 「お爺さんは買って置いてくれなかった場合は、一生プーアール茶が飲めませんよね?」という反論が出て来ました。いいえ、年代物のプーアール茶はお店でも売っています。或いはお爺さんが用意してくれたがその孫さんがプーアール茶が好きではない場合もあります。そうです、この場合、お金で人の時間を買う事が可能です。今から新茶を保管すれば飲めるまで20年か50年を待たなければなりません。だったら20年や50年前に買って置いた人から買うか、買って直ぐに飲める熟茶を飲むかです。

 年代物のプーアール茶が一枚で数万か数十万円の値段となれば、 当然アメリカドルの偽ドルように偽ビンテージ茶を作る人が出来てきました。なので、現在市場に流通してある「うん十年の生茶」は殆どが偽物だと思ってください。かなりの通でないと買わない方が良いでしょう。今は出来の良い新生茶を将来の為に買って置く方が堅実です。自分や友人の子供が生まれた年の生茶を購入(プレゼント)し、その子供が結婚orお嫁にゆく時に持たせてあげるのはいかがですか。勿論、自分の結婚した年に良い物を数梱買って、銀婚式に開けるのも悪くありません。

 *年代物のプーアール茶が高く売れると悪知恵を働かせ、偽年代物プーアール茶や偽ビンテージ茶を作る人が現われます。これは後に出て来る「人工催化類」(俗称湿倉茶)などの方法です。

 普段は熟茶を飲み、将来の為に新しい生茶をコレクションし、時には陳年茶を楽しむ。 というのがベストだとされています。無理して年数ばかり拘ると瞞され危険があります。



■黒茶(熟茶)類: 1973年昆明茶廠研究所が水を使って短期間にプーアール茶を陳化させる技術(潮水渥堆發酵)を発表しました。これが熟茶の始まりです。100斤の茶葉(毛茶)に対して30〜40斤の水を混ぜ、室内で数日日ほど、状況により1週間以上寝かせることで熟茶が出来てきます。勿論その間に数回のひっくり返し作業が必要です。この潮水渥堆發酵は各茶廠の技師の判断によって日数が異なります。企業秘密だと言われて、詳細は教えてくれません。これらの潮水渥堆發酵茶葉を使って沱茶、圓茶や磚茶をプレスした製品は熟茶です。

 それまで、飲み頃になるまで最低でも10年以上かかる生茶に比べ、工場出荷時点で既に飲めるようになっている熟茶は、画期的な物でした。30年経った現在でもこの技術で熟茶を作り続けています。油濃い料理や点心を食べる広東や香港の人達が「体内の脂を流してくれる」、また、「生茶」の「寒」に対し、「熟茶」は「暖」のお茶だと言われ、飲茶の席で(特に年配の方)好んで飲みます。更にコレステロールの抑制、動脈硬化防止、ダイエット効果などプーアール茶に関する諸効能は、全てが熟茶ベースの研究データです(学者達が発表したデータで、効果は人それぞれですが)。台大食品研究所「孫路西」教授の他に、中国西南農業大学茶葉研究所などが発表したデータは熟茶対象の研究データです。

 近年、日本人の間に「プーアール茶イコールカビ臭いお茶だ」という認識が、広東や香港の飲茶から来たのでは?と思います。「ポーレイ茶はカビ臭いお茶ではないだ」と生茶愛好家はこれを激しく反論します。生茶はそうではないからです。
 熟茶は今でも生産され、香港などで愛飲され続けています。需要があるから供給(生産)があり、否定できない事実です。逆に熟茶を飲む人々から見れば、生茶は十数年や数十年を待たなければ飲めない(厳密に言うと美味しく飲めない)厄介なお茶だというイメージがあるのかもしれません。悪い物はいずれ消え去るので、お互い相手を否定せず、尊重し合うことが大事のではと思います。

 ちなみにカビ臭い、泥(土)臭い熟茶も近年技術の進歩に伴い、作りたての熟茶でもカビ臭さや泥臭さが全くない商品が増えて来てます。昔に作ったカビ臭い、泥臭い熟茶も、生茶と同じく時間が経つと良くなって行きます。時間が経てば、泥味(土)臭さが消え(消えない物は元々質の悪い物、失敗作です)、甘、滑、沈香のある美味しいお茶に変化します!

 熟茶は年数を表示する意味や価値がないと言う人もいますが、プーアール茶専門書に登場する多くの名品は熟茶である事を知らないようです。(紫天)七子餅茶8592、8592餅茶、後期7572、後期宝焔牌班禅緊茶、73厚磚などの名製品は皆熟茶です。

 業界では「熟茶是金、生茶是玉」(熟茶は金であり、生茶は玉石であるという意味)という例えがあります。金は相場があり、対して玉の相場はありません。
 相場がないから多くの販売店や投機商人に好かれます。特にに「うん十年物の生茶」とアピールすれば、もうウハウハ、笑いが止まりません。
 もう分かって頂けましたね...... プーアール茶は理性で買い、感性で楽しむ物です。

 渥堆方法は場所、時代そしてお茶の種類により変わります。湖南茶の場合茶葉に対して60%、湖北では茶葉に対して30%で、積み上げる高さは40cmから100cmまであり、室温は25度以上、湿度は85%以上。(中国茶葉大辞典)

   
 上の3つ共に熟茶の葉底です。左側のお茶は潮水渥堆發酵の失敗作です。「焼心」した茶葉は炭化し、硬くなり、いくら熱湯を注いでも開きません。残念ながらこのような物は30年置いても美味しくならないし、価値も上がりません。
 真ん中と右側の茶葉も熟茶ですが、濃い目の茶色や栗色で、弾力もあり、お湯を注いで行くと茶葉が段々開いていきます。このような熟茶は生茶と同じく、年を取ると味わいが一段よくなって行きます。水色(茶湯)は潮水渥堆發酵の時間と淹れる(浸ける)時間によって、醤油色、コーヒー色、ワイン色、透明感のある水色......色々あります。年代物の生茶かと見間違うほど綺麗な物もたくさんあります。下の3つの水色ともに熟茶の茶湯です。
 



 ■人工催化類:業界では「湿倉茶」とも呼びます。作り方は緑茶類(生茶)と同じ(というより生茶その物です)なのですが、保存方法が異なります。出来た生茶を「通気&乾燥」ではない倉庫に、例えば中国広東では「防空壕」を使っているという噂、香港では「地倉」などの地下倉庫あるいは地上でも全く通気のない湿った倉庫に保管し、場合により水をたくさん撒いたりします。緊茶に水が入ると広東・香港など南方の気温・湿度の高さと相まってバクテリアが発生し、陳化が早まります。

 陳化は通常2、3年ぐらいの期間が必要です。この間に3か月に一度お茶の置く場所を移動したり、上下引っくり返したりする作業を行わなければなりません。何故ならそのまま長期間置いてしまうと茶葉が「焼死」という最悪の結果になります。人間はウソをつきますが茶葉はウソつきません。

 2、3年経つと茶葉達を通気&乾燥の倉庫に移します。これを「退倉」と言います。通気&乾燥の倉庫に入れた茶葉は、一年以上経てば出荷可能になります。この湿倉法は一年湿倉、三年乾倉という逆のケースもありますが、手法は全く一緒です。

 この人工催化で出来たプーアール茶に対し、作った張本人と販売店を除いて、批判意見が殆どです。ノウハウある業者の場合、茶葉の「焼死」は免れ、カビにもならずにウマく「陳化」させる事も可能のようです。オモテは飲みやすくする為の短縮法ですが、実際は年数を誤魔化す目的に使われるのが殆どです。これらの偽陳年生餅が店頭に並び、うん十年物だと言われても、普通のユーザーは分からず(本当のビンテージ茶の味が分からないので)、騙され高い値段で買わされてしまいます。非常に厄介で悪質の物です。しかし、高度経済成長を遂げた中国では、高ければ良い物だと勝手に思い込む人が多い為か、これらの偽ビンテージ生茶が飛ぶように売れて行くのが現状です。

     
  ↑人工催化の失敗例です。カビだらけで、とても飲めません!


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